ビオチン(ビタミンH・ビタミンB7)
ビオチンは、皮膚炎を予防することから発見された水溶性のビタミンで、B群の仲間です。ビタミンH・ビタミンB7とも呼ばれます。
糖質や脂質、タンパク質の代謝を助けて、エネルギーを取り出します。
ビタミンB群はどれも代謝を助けるため、同じはたらきをしているように思えますが、実際の反応はもっと複雑で、それぞれが固有の持ち場ではたらいています。
ビオチンの欠乏症にかかると、そのはたらきの重要性もわかります。
ビオチンはラットの皮膚病を予防する成分として発見されました。人間にとってもビオチンは、髪や皮膚の健康に大切なビタミンです。
不足すると、疲労感や憂うつなどの症状とともに、湿疹ができる、髪が抜ける、白髪になる、といった皮膚や髪の症状としてあらわれます。
不足ぎみになるようなビタミンではありませんが、白髪やはげが気になりはじめた人は、意識的に多めにとってみてはいかがでしょう。
ビタミンA・B2・B6、ナイアシンなども皮膚の健康のために重要ですから、併せてとるようにすると良いでしょう。
通常の食生活をしていれば、まず不足することはありません。
注意したいのは生卵です。白身に含まれる成分が、胃や腸の中でビオチンと結合して吸収を妨げます。
もっとも、生卵を毎日たくさん食べるような極端な食べ方をしないかぎり、心配はいりません。加熱した卵は大丈夫です。
ビオチンの効果効能・働き
- 白髪、抜け毛を予防します。
- 免疫力を高め、感染症に対する抵抗力をつけます。
- 皮膚の健康を保ちます。
- 筋肉痛を和らげます。
ビオチンの1日の必要量
- 100~200μgが目安です。
ビオチンの含有量が多い食品
- レバー、いわし、ピーナッツ、卵、くるみなど。
ビオチンの効率的な取り方
毎日、補給することが大切です。
とり過ぎの害はないので、多めにとっても大丈夫です。アルコール、カフェインなどでパントテン酸は消耗しやすくなります。
また、パントテン酸は一部、腸内細菌によっても合成されていますが、抗生物質などを飲んでいる人は、腸内細菌からの供給が期待できないので、食べ物で補給する必要があります。
こんな方にビオチンは必要
肌あれ、白髪、抜け毛が気になる人、ストレスの多い人、抗生物質を長期間服用している人。
ビオチンは腸内細菌によっても合成されています。抗生物質を長期間、服用していると腸内細菌の状態が悪くなり、ビオチンの欠乏を招く可能性があります。食品から充分な補給を心がけましょう。
ビオチンを過剰に取ると
- 過剰症の心配はありません。
ビオチンが不足すると
- 髪にツヤがなく、白髪になりやすくなる。
- 憂うつ、無気力になる。顔色が蒼白になる。
- 食欲不振や吐き気、おう吐を起こす。
- 脂漏性皮膚炎になる。肌がくすむ。
- 疲労が激しい。手足に力が入らない。筋肉が痛む。