パントテン酸(ビタミンB5)
パントテン酸は、ビタミンB群に含まれる物質で、D(+)-N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブチリル)-β-アラニンのことで、かつてはビタミンB5とも呼ばれていました。
パントテン酸の名は、「広くどこにでもある」という意味のギリシヤ語に由来します。名前のとおり、いろいろな食べ物に含まれています。
エネルギー産生のほか、ストレスヘの抵抗力をつけるために不可欠なビタミンです。
ストレスが生じると、副腎は、副腎皮質ホルモンをつくって血糖値を上げ、エネルギーを増大させて、ストレスに臨む体制をととのえます。
この副腎のはたらきを強化し、副腎皮質ホルモンの産出を促すのがパントテン酸です。
さらに、ビタミンB6や葉酸などとともに免疫力強化に働きます。
不足すると、風邪をひきやすくなります。
なにかとストレスの多い現代、体の抵抗力を高め、風邪をひきにくい丈夫なからだをつくるために、多めにとりたいビタミンです。
コレステロールとのかかわりも見逃せません。
コレステロールには2種類あり、からだの組織にコレステロールを届けるのが悪玉、コレステロールを集めてまわるのが善玉です。
悪玉が多いと、余ったコレステロールが動脈の壁に付着して動脈硬化の原因になります。
バランスが大事なのですが、一般には、善玉が多いほうが心臓や血管の病気の予防になります。
パントテン酸には、ビタミンCと同様、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
パントテン酸の効果効能・働き
- 自律神経の働きを維持します。
- 免疫力を高め、感染症に対する抵抗力をつけます。
- 傷の回復を早め、疲労回復に役立ちます。
- 薬の副作用を軽くします。
- 副腎を強化し、ストレスに耐える力をつけます。
- 善玉コレステロールを増やします。
パントテン酸の1日の必要量
- 5mgが目安です。
パントテン酸の含有量が多い食品
- レバー、肉類、魚類、牛乳、豆類
パントテン酸の効率的な取り方
毎日、補給することが大切です。
とり過ぎの害はないので、多めにとっても大丈夫です。アルコール、カフェインなどでパントテン酸は消耗しやすくなります。
また、パントテン酸は一部、腸内細菌によっても合成されていますが、抗生物質などを飲んでいる人は、腸内細菌からの供給が期待できないので、食べ物で補給する必要があります。
こんな方にパントテン酸は必要
妊婦、授乳婦、食欲不振の人、ストレスの多い人、風邪をひきやすい人、口内炎の人、動脈硬化を予防したい人。
パントテン酸を過剰に取ると
- 過剰症の心配はありません。
パントテン酸が不足すると
- 髪にツヤがなく、白髪になりやすくなる。
- 低血糖症、十二指腸潰瘍のリスクが高まります7.
- 食欲不振や便秘になりやすくなります。
- 居眠りをする。怒りっぽくなる。
- 風邪などの感染症にかかりやすくなる。
- ストレスに弱く、疲れやすくなる。
- 手足がしびれる。