ノコギリヤシ

英名Saw palmetto
科名ヤシ科
別名ノコギリパルメット、ソーパルメット
原産地アメリカ(北米)
使用部果実

果実は昔からネイティブアメリカンが伝統食として利用されてきました。
19世紀初め、そのお茶が前立腺肥大症の治療にすすめられ、1960年代には強壮剤として利用されはじめ、さらに成分研究が進み、その果実の油性成分が前立腺肥大症による排尿障害に有効であることがわかりました。

 

期待されるノコギリヤシの効果効能

  • 前立腺肥大症の改善
  • 前立腺炎の改善
  • 夜間谷要賞の改善
  • 精巣委縮、勃起不全の改善

男性ホルモンのテストステロンからジヒドロテストステロンへの生成を触媒する5α-リダクターゼを阻害することにより、前立腺肥大症の原因となるジヒドロテストステロンの生成を阻害します。
また、前立腺細胞にあるジヒドロテストステロンレセプターに対する拮抗作用も考えられています。


ノコギリヤシの有効成分・栄養素

  • 遊離脂肪酸、脂肪酸エステル


前立腺肥大症に対する試験

1.試験デザイン:プラセボを対照とした二重盲検試験

  • 対象:前立腺肥大症患者
  • 人数:110人
  • 投与量:55人に320mg/日のノコギリヤシエキスを、55人はプラセボ(偽薬)を4週間投与。
  • 結果:排尿時の痛み、夜間の排尿回数、膀胱の残尿量の減少などが確認されました。
         特に、尿流速の増加が顕著にみられました。

2.試験デザイン:オープンラベル試験

  • 対象:前立腺肥大症患者(52~79歳)
  • 人数:38人
  • 投与量:320mg/日のノコギリヤシエキスを、12ヵ月投与。
  • 結果:約3/4の症例で患者の自覚症状が軽減されました。
    また、尿流速の増加、尿が出始めるまでの時間が短縮されました。また、副作用についてはみられませんでした。

3.試験デザイン:比較対照試験

  • 対象:前立腺肥大症患者(平均年齢68歳)
  • 人数:25人
  • 投与量:10人に320mg/日のノコギリヤシエキスを、3カ月投与。残り15人は、無処置群
  • 結果:ノコギリエキス投与群において、ジヒドロテストステロンの減少、テストステロンの増加が確認されました。

ノコギリヤシの摂取量

  • 果実としては1~2g/日、抽出エキスとして320mg/日


ノコギリヤシに関する注意点・安全性

まれに、胃腸障害を起こすことがあります。
ホルモンの働きを弱める作用があるので、妊娠・授乳中の摂取を控えたほうが良いでしょう。


ノコギリヤシと薬との相互作用

ノコギリヤシには、血小板凝集抑制作用を有することを示唆する報告があり、抗血栓薬との併用は念のため注意しましょう。


その他ノコギリヤシの特記事項

近年、ノコギリヤシエキスを配合した医薬品を用いた臨床試験が多く報告されており、その有効性が確認されています。


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