セントジョーンズワート

英名St. John's wort
科名オトギリソウ科
別名セイヨウオトギリソウ
原産地ヨーロッパ
使用部地上部

セントジョーンズワートは、2000年以上前より薬効が知られていて、抗炎症、傷薬として利用されていましたが、19世紀になってから精神症状に適用されるようになりました。

セントジョンズワートは、聖ヨハネの誕生日ごろに花を咲かせることから、聖ヨハネの草として知られていますが、花びらをこすると紅い液体が出るためか、古代ヨーロッパでは魔除けに用いられてきました。

 

期待されるセントジョーンズワートの効果効能

  • うつ病の改善
  • 不安障害、強迫神経症、季節性情動障害(SAD)の改善作用
  • 更年期症状、月経前症候群の改善作用

セントジョーンズワートの明確な作用メカニズムはわかっていませんが、セロチニン、ノンアドレナリン、ドーパミン、GABA、グルタミン作動性のシステムに仲介されているかもしれないし、または組み合わせで起こっているのかも知れません。


セントジョーンズワートの有効成分・栄養素

  • ヒペルフォリン、アドヒペルフォリン、ヒペリシン、シュードヒペリシン、フラボノイド類、キサントン類、オリゴマー類、アミノ酸類


うつに対する試験

1.試験デザイン:23件の無作為化二重盲検試験

  • 対象:主に軽度から中程度のうつ病患者総計1,757人を含む結果を統合して述べられています。
  • 結論:13件のプラセボを対照とした試験では、セントジョーンズワートへの反応性は55.1%でプラセボ群22.3%より有意な結果が得られました。
    3件の三環系抗うつ剤を対象とした試験でも、同等の効果がありました。

2.試験デザイン:6件の二重盲検試験のメタアナリシス

  • 対象:抑うつ障害と診断された651人
  • 結論:セントジョーンズワートは、経度から中程度のうつ病に対して、プラセボ群より1.5倍効果的であり、短期的、低用量の三環系抗うつ剤と同等の効果が認められました。


セントジョーンズワートの摂取量

  • 1日200~900mg。


セントジョーンズワートに関する注意点・安全性

推奨量で1~3ヵ月間摂取した場合、おおむね安全性に問題はありません。
最も一般的な副作用は、胃腸障害、皮膚反応、疲労感、鎮静作用、情緒作用、不安、めまい、頭痛、口渇であるが、プラセボ群と同等で、一般的な抗うつ剤と比較して副作用は少ないと結論づけられています。


セントジョーンズワートと薬との相互作用

セントジョーンズワートと抗うつ剤の併用は、抗うつ作用が重複するので注意が必要です。
特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬との併用は、セロトニン作用が増強するため注意を要します。

また、セントジョーンズワートにより肝薬物代謝酵素が誘導されるため、同じ薬物代謝酵素によって代謝される医薬品を併用した場合、医薬品の効果が減弱することがあります。

特に、抗HIV薬(インジナビル)、強心薬(ジゴキシン)、経口避妊薬、ある種の免疫抑制剤(シクロスポリン)、抗てんかん薬、抗不正脈、気管支拡張薬(テオフィリン)、血液凝固防止薬(ワーファリン)などで注意が必要であり、医薬品の添付文書にも併用注意する旨記載するよう、厚生労働省より支持されています。


その他セントジョーンズワートの特記事項

皮膚の弱い人は光過敏症のリスクがあり、躁病などの感情障害の既往症者は躁状態に陥る可能性があるため、慎重に摂取する必要があります。
妊娠、授乳中における摂取に関する十分なデータはありません。


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