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にんにく
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英名 | Garlic |
科名 | ネギ科 |
別名 | ガーリック |
原産地 | 中央アジア |
ニンニクは中央アジアを起源とし、東南アジア、地中海地方へと広まりました。
昔から、皮膚疾患、消化不良、食欲不振、リウマチの治療薬として利用されています。
紀元前4500年前のエジプトで、労働者の疲労回復効果に用いられていました。
日本でも「おおびる」の古名で古事記や源氏物語に登場しており、強壮剤として用いられています。
一般に知られているのは鱗茎部分で主に調味料、香辛料として使われています。
また、葉や茎も油いためなどの食材に使われます。
ニンニクの独特の臭いは、ニンニクに含まれているアリインという成分とアリナーゼという酵素によるもので、植物自体がにおっているわけでなく、砕いたときに、本来は別々に存在していたアリインとアリナーゼが触れ、アリインが臭いのもとアリシンという物質に変化するためです。
このアリシンは体内に入るとビタミンB1と結びつき、さらに糖分と結びついて生活パワーの源のエネルギーを作り出します。
臭いのもとであるアリシンは、ビタミンB1と結合してアリチアミンという物質となります。アリチアミンはビタミンB1の吸収、持続性を促進することでエネルギー代謝を活性化させることで素早い疲労回復作用を発揮します。
また、アリシンと結合したビタミンB1は体内に貯蔵されるため、疲労回復効果が長続きします。
ニンニクの摂取による抗酸化作用により、血圧上昇を抑制すると考えられています。
特にニンニクオイルに含まれる硫化アリル物質は、強い抗酸化作用を示し、抗ガン作用、心血管保護作用などに効果を発揮します。
コレステロールと並ぶ生活習慣病のキーワードの一つは中性脂肪です。
中性脂肪が血液中に多くなると血液がドロドロになり、動脈硬化や高血圧の原因となります。
この中性脂肪を減らす効果がニンニクにはあります。
実験では、10人の女性に普段の食事に加え、400Kcal分の清涼飲料水やケーキをなどを食べてもらい、うち5人にはニンニクを毎日5片食べてもらいました。
糖質が多すぎる食生活は血中の中性脂肪を増大させるとされていますが、ニンニクを食べたグループは実験前よりも中性脂肪が下がっていました。
さらに血液の流れを調べてみると、ニンニクを食べたグループの方はサラサラになっていました。
このことから、ニンニクは中性脂肪を減らし、血液をサラサラにすることが分かりました。
中性脂肪を減らす効果は、ニンニクだけを食べても得られず、タンパク質と一緒に取った時に効果を発揮します。
焼き肉やガーリックステーキはなどは理にかなった食べ方と言えるでしょう。
もちろん、ニンニクも肉も食べ過ぎに気を付けることは言うまでもありません。
ニンニクを1日に2~3個摂取すると下痢などの症状を起こす場合があります。
まれに胃腸の炎症、ニンニクアレルギーを起こす場合があります。
子供:臨床試験において、900mg/日のニンニクパウダー摂取で副作用は報告されていません。
妊婦、乳幼児:通常量の摂取においては、副作用の報告はありません。
ニンニク摂取により流産を起こす可能性が示唆され、妊婦・授乳中の摂取を禁忌とする示唆もありますが、今のところ根拠となる基礎・臨床的報告はありません。
ヨーロッパの医療現場では、抗血栓薬および抗アテローム性動脈硬化薬として使用されています。
ドイツ保険省植物性医薬品委員会では、加齢に伴う血管変性の予防と脂質異常症(高脂血症)の食事療法の補助としてニンニクの服用が勧められています。
さらに欧州科学植物療法協会では、アテローム性動脈硬化症の予防、血中脂質濃度の上昇治療、末梢動脈性血管疾患時の循環器改善、上気道感染症、感冒を適応症として挙げています。
ニンニクと言えば、あの臭いが悩みのタネ。
あの臭いさえなければ……と思う人も多いはずです。
この臭いの元はアリインです。
アリインは、がん予防効果を生み出し、疲労回復にも重要な役割を担っている物質です。
もし、アリインを取り除いてしまえば、ニンニクの魅力は半減するといってもいいでしょう。
ニンニクの臭いは、アリインが酵素の働きでアリシンに変わり、臭い物質が発生するために起きます。
切らずに丸のまま加熱したニンニクが臭わないのは、熱で酵素が働かず、アリシンがあまりできないためです。
しかし、よく加熱したニンニクであっても食べた後、体内の酵素がアリインに働きかけ、臭い物質を発生させてしまいます。
つまり、ニンニクを食べるなら、臭いとの縁は切ることが出来ないということです。