14番目のビタミンPQQ(ピロロキノリンキノン)

大豆、納豆、お茶などに含まれている有機化合物のPQQ(ピロロキノリンキノン)は、14番目のビタミンと呼ばれています。

ビタミンは、健康を維持するうえで微量ではあるが必須の物質で、体内で作り出せないために食べ物から摂らなければなりません。

ビタミンは、体内において特定の酵素と結合して、酵素が正常に働けるように補助します。

1910年、世界で最初のビタミン(ビタミンB1)が鈴木梅太郎博士(東京帝国大学)よって発見されて以来、1948年のに見つかったビタミンB12まで、13種類のビタミン物質が同定されています。

PQQは1979年、米テキサス大学のグループがその存在を報告し、欠乏した場合、マウスへの影響(生育不良や毛並みの悪さなど)も知られていました。

しかし、体内でどんな酵素と結びつくのか、どんな働きをしているのかが不明なため、ビタミンとして認められていませんでした。

理化学研究所の研究グループは、躁鬱病に関係する遺伝子を調べる過程で、体内に余ったアミノ酸の一種であるリジンの分解を担う酵素が、PQQとよく結合構造であることを突き止めました。

必須アミノ酸であるリジンの分解に関わり、リジンが正常に働くためにはPQQが必要であることが解明されました。

PQQは、いろいろな植物(野菜)や動物(肉類)に微量に含まれていることが知られており、特に納豆やお茶、果実に比較的に多く含まれています。

現在、医薬用のビタミン剤やサプリメントのマルチビタミンにはPQQは添加されていません。

また、PQQの欠乏状態の人がいるかどうかも不明ですが、PQQが新しいビタミンとして認識がされ、ビタミン剤として多様な応用等も期待されます。

おすすめコンテンツ