野菜の色と栄養素

野菜は、緑(葉菜類)、黄色(ニンジン)、赤(トマト)、黒(ゴマ)など色とりどりですが、これらの色が野菜の効果の本体であることが多いのです。これらの色素は、アンチオキシダント(抗酸化性物質)として働いているものが多いのです。

たとえば緑色は、言うまでもなく葉緑素(クロロフィル)で、これは植物内にあっては、太陽光を吸収して、炭酸ガスと水からブドウ糖を合成しています。

そして食物として人の体内に入った際は、アンチオキシダントとして働き、また血液中にあっては、紫外線や放射線を吸収し、発がん作用や老化作用の害を防ぎます。

黄色や赤色は、ニンジンのベータカロチンやトマトのリコピンなどのカロチノイドという成分で非常に強力な活性酸素の抑制剤です。
多くの研究でがん予防効果があることが証明されています。

また赤ワインの色(モアントチアン)などもポリフェノールという成分でそのアンチオキシダントとしての力によって動脈硬化を防ぎ、心臓や血管病による死亡を防いでくれます。(ワインの効力ということでフレンチパラドクスと呼ばれています。)

黒ゴマや黒豆などもより黒いほうが一般に有効成分の濃度が高いことが知られています。
ですから、彩り良く、まさに色々な野菜を摂ることが健康には重要で効果的です。

野菜の水分

野菜は、90%以上も水分を含んでいて、いわば水の塊のようなものです。

そして、その水の質は、どこの名水にも負けません。
植物の無数の細胞によりろ過され、ごみや微生物もありませんし、十分なミネラルもバランスよく入っています。

ですから野菜は低カロリーで、ビタミンやアンチオキシダント(抗酸化性物質)などの有用微量成分を含む貴重な水の源なのです。

たとえば、のどが渇いたとき、一杯の牛乳と一本のキュウリでは、どちらが良いでしょう。

のどの渇きをより潤すのはキュウリの方です。
なぜなら牛乳は、水分としては、70%以下ですし、水分中の成分濃度が高いので、体の血液中の水分を薄める力が弱いからです。

キュウリの方は、水分が98%もあり、しかも糖分など溶け込んでいる成分濃度も低いので、血液中の水分を薄める効果も高く、のどの渇きにはより有効です。

特にお酒を多量に飲んだ際は、アルコールが水と結合して自由水(ものを溶かす力の強い拘束されていない水)
が少なくなり、血液がドロドロになり血栓を起こしやすくなるので、寝る前に、コップ一杯の水か新鮮な野菜をとることをおススメします。

野菜の代謝速度

代謝とは、物質の変化で、体に必要な成分に再構成されたり、体に無害なものに変えられて排泄させたりすることです。

たとえば、食物が食べられると消化吸収され、糖質は酸化され、エネルギーを発生し、炭酸ガスと水に代謝され、たんぱく質はアミノ酸になり、体に必要なたんぱく質に再構成されます。

また、脂質も最終的には、酸化されエネルギーに変換されます。

代謝はこのように、最終的には体に有用なものに変えられたり、体に無害なものに変えられる作用です。

しかし、問題はこの代謝には、時間がかかることで、代謝の途中の段階では、体に無益なものであったり、あるいは有害なものであったりします。

アルコールは完全に酸化すれば、炭酸ガスと水になりますが、その途中の状態ではアルデハイドという有害物質を生じ、悪酔い症状をもおこします。

人が異物(食物も医薬品も一種の異物です)を摂り入れた場合、すべての異物は、肝臓で代謝され、水溶性の物質に変えられ、尿として排泄されます。

しかし、ものによっては水溶性にならない物質(たとえばPCBや環境ホルモン)などもあり、このような物質は、長く体内に留まり慢性毒性を表し、体に障害を与えます。

ですから、どんなものでも代謝速度を超えてむやみに詰め込んだりすることが危険なのはこれが理由なのです。

その点、野菜は人体に負担をかけることなく代謝速度も適切であり、同じ成分を摂る場合でも、医薬品とは違う良さが見直されています。

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