高麗人参
- 別名:朝鮮人参 オタネニンジン
- 薬効:疲労回復 強壮作用
高麗人参は漢方で補気薬として使われます。
“気”とは漢方では一般に人体の五臓六腑(ごぞうろっぷ)の生理的機能のことで、気が不足している症状“気虚”の時、特に消化器や呼吸器の生理的機能が低下したり、慢性病や重病時に使用されます。
補気薬は機能を高め、体力を増強するので気虚に効果があります。
高麗人参の滋補強壮作用メカニズム
- 神経の興奮伝導を早め、条件反射や分析能力を高めるので、古人は“心を開き智を益す”と、その効果を表現しています。
- 大脳皮質を刺激し副腎皮質機能を興奮(ホルモンの分泌を促進)させて、外界からのストレスに対して生体の抵抗力を高めます。
これは人参の強壮効果です。
- 血糖値を降下させます。
人参成分のサポニンはインシュリンというホルモンの働きを高めます。インシュリンが不足すると血液の中にある糖分が十分に細胞にとり込まれず、エネルギーとして消費されません。
そのため血液中に糖分が多くなります。これが糖尿病です。
毎日服用すると糖分が細胞にとりこまれるので、血糖値が下がります。
- 成分の強心配糖体類似の作用で心臓の収縮力を高め、心筋の代謝を改善します。
- 男女の性腺機能を促進し、性機能を高めます。
- 新陳代謝を高めて、食欲を増進しタンパク質の合成を促進、血中のコレステロールを降下させます。
日本薬局方にも朝鮮人参は収載されていて、その効能は虚弱体質、肉体疲労、病中病後の体力回復です。
高麗人参は、ウコギ科のニンジンの根を乾燥したもので、中国吉林省近郊の野生のものを吉林参、朝鮮の野生のものを朝鮮参といい、石柱参・紅参・白参はいずれも吉林参の栽培品です。
オタネニンジンの由来は、江戸幕府が人参の栽培を奨励し、その種子を下げ与えたところから種子を賜わる人参ということで敬称をっけて「オタネニンジン」と呼ばれました。
白参(はくじん)は採取して水洗いの後乾燥したもの、紅参(こうじん)は採取して水洗いの後、一度蒸してから乾燥したもの、参(じん)しゅはひげ人参とよばれ、採取した人参を製品にするとき取り除いた細根を乾燥させたものです。
高麗人参の効果効能
- 元気を強化します。
回復力を一時的に強めるので危急状態に用い、心血管系の機能不全、冷汗、四肢が冷たいなどのショック状憩にある時に使用します。
- 血糖を下げ、抗利尿作用があるので、軽度の糖尿病や発熱による脱水状態による口渇に効果があります。
- 神経興奮、神経衰弱には精神を安定化し、動悸を静めます。
- インポテンツなどの性機能の低下に用いられます。
- 慢性気管支炎、気管支ぜんそく、肺気腫、心疾患による呼吸困難やぜんそくに効果をはっきします。
高麗人参の利用方法
もっとも効果的な飲み方は煎じる方法です。
- 滋補強壮では1回に吉林参2.5~5g,朝鮮参1.5~3g。
- 強心剤として脱水、心不全には吉林参9~15g,朝鮮参3~6g。
- 救急時の大出血やショックの危急状態には吉林参15~30g、朝鮮参15~24g。
- 虚弱体質の改善には吉林参5~9gを1週間に1度服用するだけでよい。虚弱が改善されたときは服用を止めて下さい。
高麗人参の注意する点
- 抗利尿作用があるので、腎機能障害による尿量減少や浮腫のときには使用しません。
- 一般に感冒の発熱には使用しません。
- 長期間連続服用すると不眠、動悸、血圧上昇、頭痛などが生じることがあるが、中止すると次第に消失します。
- 高血圧で、のぼせやめまいの症状があるときに人参を多量に服用すると、脳の充血や溢血を起こす可能性があるので避けた方が良いでしょう。
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