疲労
疲れるという症状は、多かれ少なかれ誰にも起こる生理的な現象で、病気ではありません。
肉体労働やスポーツを行えば、健康な人でも疲れを覚えて当然です。
しかしそのあと休息すれば、解消してしまうのがふつうです。
疲労は、体が休息を要求しているサインと考えることができます。
疲れたと感じたら、十分な栄養をとり、ゆっくりと入浴し、ぐっすり寝ることが大切です。
疲労を翌日まで持ち越さないことがポイントです。
しかしこのサインをなかなか活かせないのが現代社会です。
厳しいスケジュールに追われ、徹夜したり、休養を十分にとらない人が多くいます。
疲労は蓄積すると慢性疲労につながります。
そして体調をくずしたり、病気に対する抵抗力が弱まって、思わぬ病気を引き込む結果になりかねません。
また、体はそんなに使ってもいないのに、何となく疲れが取れない、倦怠感がありイライラする、眠れない、食欲がないという人もいます。
これはストレスの多い生活をしている人に多く、いわゆる精神疲労です。
このような精神疲労の場合、軽い運動をする、楽しめる趣味をもつなど、自分にあった気分転換をすることが回復につながります。
しかし一般的な疲労回復には、やはり睡眠をまとめてとるのがいちばんでしょう。
無理なら少しずつ仮眠をとるなど、自分でできる範囲で体を休める努力が大切です。
短時間でも仮眠をとれば、副交感神経が働いて、血圧が下がり、代謝・分泌機能が低下して、体が休まることになります。
また、良質のタンパク質やビタミン、ミネラルなど、疲労回復に効果のある食事を積極的にとるように心がけることが重要です。
体のだるさから考えられる主な病気
何となくだるく疲れやすい
症 状 | 考えられる 病気 |
頭痛、食欲不振などがある。だるくて横になりたいと思う。残業、夜更かし、徹夜、不慣れな作業をしたあとに起こる。 | 過労 |
頭重感がある。首や肩がこる。動悸、息切れ、立ちくらみがして、ひどくなると寝込んでしまう。 | 高血圧症、低血圧症、心臓病 |
気力がわかず、疲れやすく、全身に血の気がなく青白い。動悸、息切れがする。めまいや耳鳴りがする。 | 貧血 |
だるくてふらふらする。震えや手足が冷える。眠れない。気力がわかない。食欲不振、下痢、便秘を伴うことも。 | 自律神経 失調症 |
寝つきが悪かったり、寝れなかったりする。やる気が起きない。食欲、性欲がない。心配事、ストレスがある。頭痛、肩こり、筋肉痛を伴うことも。 | 軽いうつ病 |
普通にしていてもだるい
症 状 | 考えられる病気 |
くしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、発熱し、軽いせき、たんがでる。 | かぜ |
頭重感がある。全身がだるい。首や肩がこる。目の使い過ぎの原因が思い当たる。目がうるんだり、しょぼしょぼする。 | 眼精疲労 |
動悸、息切れがする。眠気を感じ、疲れがとれない。のどが渇き、頻尿、多尿になる。たくさん食べても満腹感がない。やせてくる。 | 糖尿病 |
体全体がむくみ、はれる。食欲はあるが、体重は減少する。顔色は悪い。汗をかかない。息切れがする。 | 甲状腺機能低下症 |
体を動かすのがつらいほどだるい
症 状 | 考えられる病気 |
高熱が出る。胸の奥から出るような重苦しいせき、たんが出る、せきをすると胸が痛くなる。熱はでないことも。 | 肺炎 |
体全体がむくみ、はれたような感じがある。いつまでもだるい。血圧が高く、血尿が出ることもある。 | 腎炎 |
おなかに水がたまって張る。体力、食欲が落ちる。体全体がむくむ。発熱し、顔色がにごったように悪くなり、黄疸が出る。 | 肝硬変 |
かぜの症状に似ている。寝汗をかく。体重が減る。食欲不振になる。 | 肺結核 |
朝起きた時一番だるく、一日虫だるさが続く。気力がわかない。不安感がある。食欲不振、動悸、息切れも。 | 神経症 |