りんごの効果

りんごの主成分は糖質で、全体の10~13%を占めています。
その大半が果糖とブドウ糖で、酸味はリンゴ酸クエン酸が中心です。

ビタミン類は果物としては少なく、ビタミンCも少量しか含まれていません。

その代わりカリウムが100g中100mgと豊富に含んでいるのがりんごの特長です。

また、食物繊維ペクチンも多く含まれていますが、果肉より皮の部分に豊富です。ペクチンを有効に摂取するには、よく洗って皮もまるごと食べると良いでしょう。

りんごは胃腸に優しい果物で、下痢のときにも、便秘のときにも、薬効を発揮してくれるので、とても便利です。

下痢(急性腸カタル)のときは、りんごを皮ごとすりおろして食べます。
おろし器は金属をより陶器のもののほうが味が変わらないのでお勧めです。
りんごが下痢に効くのは、ペクチンが腸内の乳酸菌などを増やして、悪い菌殺す働きをするからです。

ドイツの民間療法では、下痢のとき、毎食りんごだけを食べ、あとは紅茶を飲むだけというものがあるほどです。

また、胃での消化吸収が早く、胃に負担をかけないので、胃腸が弱り気味のときの栄養補給に最適です。

便秘にもすぐれた効果を発揮しますので、便秘がちな人は、よる寝る前にりんご1個を皮ごと食べると良いでしょう。
りんごジュースでもいいのですが、まるごと食べたほうが効き目があります。
ペクチンが腸を刺激し、また便に水分を与えてやわらかくしてくれます。

胃腸に優しいりんごは夜食にもピッタリです。
空腹感があって寝付けないときになど、小さめのりんご1個食べると、適度の満腹感がえられます。
あまり胃に負担をかけないばかりか、神経をしずめる作用もあるので、自然な眠りにつくことができます。

りんごの薬効のもう一つは、高血圧によく効くということです。
多量に含まれているカリウムは、体内の不要な塩分(ナトリウム)を排泄する働きがあります。

塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムが増えて血圧を押し上げますが、日ごろからりんごのようにカリウムの多い果物を常食していれば、高血圧を防ぐことが可能です。

同時にペクチンは血液のコレステロールの増加を抑え、動脈硬化を予防してくれるので、血圧の高い人には、一石二鳥といえるでしょう。

また、利尿剤を飲んで血圧を下げている人は、おしっこと一緒にカリウムが排泄されて、必然的にカリウム不足になることがあります。
そういう場合のカリウム補給にもりんごは最適です。

りんごのちょっとかわった利用法としては、すりおろして、ガーゼなどにのばして、頭痛のする部分に貼ると頭痛が治まるというものがあります。
また、果汁をブラシにつけて歯を磨くと、歯がきれいになり、口臭の防止にも役立ちます。

>>りんごの栄養、効能効果