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にんにく
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ニンニクは、中東・中央アジアが原産といわれ、すでに古代エジプトやギリシャでは薬用に使われ「においバラ」として知られていました。
日本には中国から伝わったとされ、「古事記」や「日本書紀」をはじめ、「源氏物語」にもニンニクに関する記載があります。
当時は食品としてではなく、薬草として病気の治療や予防に使われていました。
疫病の予防に土用に一かけらのニンニクを食べる、風邪をひいたときにや夏の暑気払いに食べる、あるいは疫病が流行したときは、ニンニクを家の門に吊り下げれば、これを避けることができるなどといった記載があります。
ヨーロッパのドラキュラ伝説でも、吸血鬼ドラキュラを撃退するものとして、十字架と日光とともにニンニクがあげられています。
これらの伝説は、人々がニンニクの効力を高く評価していたことを物語っています。
ニンニクは、血を巡らせて体を温めるため、冷え性や冷えから来る下痢に、風邪では悪寒の緩和や解熱に有効です。
強い抗菌、鎮静、解毒作用、疲労回復などに加え、胃液の分泌をよくし、胃腸を整え、食欲を増進します。
その他消化吸収を高め、胃もたれの改善や、食欲不振の改善にも良いでしょう。
ニンニクの特徴といえば、あの強烈な臭気です。
若い女性など敬遠する場合が多いのですが、あの臭気こそニンニク効果の源なのです。
ニンニクは、よく知られた独特の臭いが最大の特徴で、学名(Allium)には「におう」という意味があります。
スタミナ食材として広く認知されているニンニクですが、これは疲労回復を助けるビタミンCのほか、免疫力の強化に強大な力を発揮する香り成分アリシンが含まれているからです。
ニンニクの臭いの正体は、硫化アリルの一種であるアリシンという成分なのです。
これがニンニクの有効成分でもあり、悪玉コレステロールを少なくし、善玉コレステロールを増やします。
血圧を下げる作用や血糖値を下げ、血液をサラサラにする作用もあります。
さらに抗酸化作用、血小板の凝集を防ぐ効果、疲労回復作用まであり、まさに日常的に取り入れたい生活習慣病予防に役立つ食材なのです。
このアリシンには、体内でビタミンB1と同じ働きをする効果があります。
また、ニンニクのもう一つの主要成分であるスコルジニンには、疲労回復、強壮効果があります。
ニンニクは、昔からスタミナ食にいいという定説は、ちゃんと科学的に証明されています。
しかし、いくら臭いが体にいいとはいえ、口臭の原因になってしまっては困ります。
そこで、臭いを消す方法ですが、よく知られているのが食べた後に牛乳を飲むことです。
チーズ、卵などと一緒に食べても、臭いのもとがタンパク質と結合するので、効果的です。
その他、パセリ、しょうが、ナツメと一緒に食べるなど、方法はいろいろあります。
また、韓国では「マッコリ酒」を飲むと言います。
マッコリ酒は米を発酵させて作る酒で、殺菌処理をしてないものは生きた酵母が含まれています。
この酵母が臭い成分を体外に排出してくれるのです。
そのメカニズムは、電極が多い酵母菌の表面が臭い物質を引き寄せ、一緒に腸まで運び、排出するというものです。
マッコリ酒に代わるものとしては、熱処理していないビールやにごり酒のような活性生酒があります。
また、水も酵母と同じく電解質をもっているので、ある程度の消臭効果が期待できます。
アメリカ国立がん研究所が中心になって作った「がん予防効果が期待される食品ピラミッド」によると、ニンニクがトップにランキングされています。
このピラミッドは世界中の調査研究をもとに作られました。
その中のイタリアのカリアリ、クレモナ両地方での調査は、ニンニクとがん発生の関係が興味を引きます。
この調査によれば、カリアリはクレモナの5倍以上もニンニクを食べている地域だといいます。
そして、ニンニクを大量に食べているカリアリでは胃がんになる確率がクレモナの60%しかありません。
このことから、ニンニクにがんを予防する効果があるのではないかと、様々な研究が進められてきたのです。
例えば、前立腺がん細胞にニンニクエキスを加える実験では、がん細胞の増殖を抑制することが分かっています。
また、ニンニクを食べると、大腸がんや食道がんになりにくいという報告もあります。
ニンニクは、抗菌、抗真菌、抗ウイルス作用をもつのも特徴で、風邪、インフルエンザ、気管支炎、せき、耳炎など様々な感染症に効果があります。
生のニンニクを料理に使えば食中毒の予防にもなります。
ニンニクを料理にする際、大きいままで使うとマイルドな味になり、細かく切れば切るほどニンニク独特の味が濃くなります。
ニンニクの効果は、命のビタミンともいわれるビタミンB1と結びついてより発揮するので、豚肉、豆腐、豆類、ウナギ、ごま、玄米など、ビタミンB1を多く含む食品・食材と一緒に調理すると良いでしょう。
様々な研究により、がんを予防するニンニクの成分が判明しています。
それはスルフィド類やアホエンという物質です。
これらは生のニンニクに含まれるアリインという成分から作られますが、これ自体のがん予防効は高くありません。
アリインからスルフィド類やアホエンを作るには、どう調理するかが重要になります。
まず、ニンニクをすったり、切ったりするとアリインが酵素と反応して、アリシンに変化します。
次にアリシンを低温の油で加熱すると、各種のスルフィド類やアホエンという物質に変化します。
つまり、がん予防効果を期待して、ニンニクを食べるときは、切るまたはすりおろしてから低温(低温の目安は100℃)で加熱するという調理法が良いということです。
加熱するのはアリインをアリシンにする酵素の働きを高めるためです。
ただし、アホエンは低温で加熱した時にしかできません。
また、スルフィド類やアホエンは揮発しやすいため、油に包むことで無駄なく取れます。
イタリヤ料理では、ニンニクの香りをよく出すため、油を熱する前にニンニクを入れ、低温でキツネ色にならない程度にじっくり火を通す調理法がありますが、これこそが、がん予防のための調理法だったのです。
また、韓国で行われているニンニクをすりおろして冷蔵庫や冷凍庫で保存する方法もがん予防成分をたっぷり作る方法の一つです。
普段の調理では、ニンニクを切ったり、すりおろしてから、しばらく時間をおいて料理に使うと良いでしょう。
おく時間は10分くらいが目安です。
血圧上昇を抑えるカリウム、粘膜や皮膚を保護するビタミンCを含み、さらに免疫力強化の滋養強壮が期待できるニンニク。
様々な料理の風味づけとして活用しやすいニンニクですが、ビタミンCは熱に弱いので加熱のしすぎは禁物です。
生のまま食べるのがベストで、すりおろせば、香り成分であるアリシンの生成量が増えるとも言われています。
ただし、刺激が強いので、食べ過ぎには注意しましょう。
牛肉は気や血を補い、適度に体を温めます。
骨や筋肉を強くする働きがあり、虚弱体質の改善に効果的です。
にんにくをタレや味付けに使うことで、食欲を増進させ、牛肉のタンパク質を効率よく体に吸収します。
エネルギー補給、疲労回復に良い組み合わせです。
ニンニクのビタミンB6と、卵に含まれるビタミンB2の相乗効果で、ストレス緩和の効果がより期待できます。
高血圧予防にも作用します。
ニンニクのビタミンCは、ほうれん草の鉄の吸収を助け、肌のくすみ予防、美しい髪の維持に期待できます。
おすすめレシピ:ホウレンソウのにんにく塩ナムル
ニンニクは、アリシン、スコルジニンのほか、ビタミンC、B2、リン、カルシウム、糖質、鉄、カリウム、タンパク質、などを豊富に含んだ薬効の高い食品です。
ただし、あまりにも食べ過ぎると、胃をあらしたり、血圧の上昇、目の充血、肝臓障害を引き起こす危険もあるので注意しましょう。
目安として、生食する場合は、1日3~4片にとどめるのがよいでしょう。
ニンニクは、肉や魚の香辛料として、あるいはガーリックパウダーなど調味料として、広く利用されています。
また、油との相性も良いので、炒め物にもよく使われほか、煮込みやスープなどにも多用されます。
ニンニクのホイル焼き、ニンニク酒、ハチミツ漬け、しょうゆ漬け、みそ漬け、酢漬けなど食べ方もいろいろありますので、適量を守って常食することをおススメします。
上から見た時に膨らみが均一で粒が大きく、重みがある。
薄皮やお尻の部分がしっかり乾燥しているものを選ぶ。
身と皮の間に隙間があるものや外皮が薄いものは避けましょう。
にんにくを保存する際は、1個ずつ新聞紙で包み、ポリ袋に入れて口を閉じ、冷蔵室で保存する(保存期間は1ヵ月)。