柿(かき)

  • 薬効
    高血圧 夜尿症 やけど かぶれ しもやけ 風邪 二日酔い 痔 虫刺され 歯痛 

柿は中国が原産で、日本の果物の中でも最も古い部類に入ります。

柿という名の由来は、「赤木」からきたという説があり、果実や紅葉したときの葉が、鮮やかな赤をしていることからつけられたといわれています。

ジロウカキ

柿には大別すると、甘柿と渋柿がありますが、熟すと自然に渋みが取れて甘くなるのが甘柿、熟してもなかなか渋みがとれないのが渋柿です。

もっとも渋柿も、熟度が進めばしだいに甘くなり、干し柿にすると、ひじょうに甘みが増すことは、ご承知の通りです。

渋みは、シブオールというタンニンです。シブオールは水溶性のため、食べると唾液に溶けて渋さを感じます。

甘柿にもこのタンニンは含まれていますが、熟すにつれて、タンニンが水に溶けにくくなります。
そのため、食べても渋みが感じられなくなるのです。

渋柿は熟してもタンニンが不溶性にならないため、なかなか渋みが抜けないというわけです。

柿の果肉をよく見ると、ごまのような黒い点が見られますが、これが不溶性のタンニンです。

渋柿の渋を抜くためには、アルコールや温湯などに漬けますが、これはタンニンを水に溶けなくするためです。
炭酸ガスを噴霧して一定期間、密閉して渋を抜く方法もあります。

生でそのまま食べるのが、いちばん簡単でおいしい食べ方ですが、なますやサラダに加えたり、あえ物にしてもおいしくいただけます。

柿の葉の若葉はおひたし、ごまあえ、てんぷらなどに利用されます。

また、白菜の漬け物に、柿の皮をいっしょに漬けると、甘みのあるおいしい白菜漬けができあがります。

柿には多くの種類がありますが、旬はどれでもだいたい10~11月ごろです。

甘柿の王様は富有柿で、次郎柿がそれにつぎます。
渋柿の代表は平たくて種のない平核無柿(ヒラタネナシ)や、細長く先端のとがった蜂屋柿などが有名です。

柿を購入する際のおいしい柿の見分け方は、皮の色とつや、張りに注目するのがポイントです。
実はかためで、ヘたも緑色で、しっかりついているものなら安心です。干し柿は、表面に白い粉のふいているものを選ぶと良いでしょう。

おすすめ干し柿




柿の栄養素と効能効果

栄養面での柿の特徴は、ビタミンCが豊富に含まれていることでしょう。

正確にいえば、プロビタミンCという、ビタミンCの前駆物質で、これが100g中1gも含有されています。

プロビタミンCは体内に吸収されるとビタミンCとなって作用します。
大きめの柿なら、1個食べるだけで、ほぼ1日分のビタミンCの必要量を摂取することができます。

また、ほかの果物には比較的少ない、ビタミンAも多く含まれ、とくに干し柿の場合だと、生のものと比べ2倍もビタミンAが含有されていました。

ただし干し柿にすると、ビタミンCは損なわれてしまいます。

昔から、「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、柿は健康食材としてすぐれた効果を発揮します。

まず有名な薬効としては、二日酔いの防止です。
これは、柿に酒の酔いをさます作用があるためで、お酒を飲む前に生の柿を1~2個食べておくと、悪酔いを防止してくれます。

二日酔いで気分が悪いときに、よく熟した甘柿を1個食べると、アルコールが抜けて気分が回復します。
ビタミンCが肝臓の働きを助け、解毒を促すからでしょう。ただし、ビタミンCの乏しい干し柿では効果が期待できませんので気をつけましょう。
また、乗りもの酔いにも、柿を食べるといいといわれます。

晩秋、木枯らしが吹き始めるころ、柿は旬を迎えまが、このころはかぜをひきやすい時期でもありますので、毎日柿を食べていれば、かぜの予防になりお勧めです。

ビタミンCやAが、ウイルスに対する免疫力や抵抗力を高め、のどなどの粘膜を強化くしてくれるからです。

ただし食べすぎると、かえって弊害を及ぼすことがあるので、注意しましょう。
昔から、柿を食べると流産をおこすといわれますが、これは、たくさん食べると体を冷やすためです。
とくに空腹時に多食すると、消化不良をおこしたり、便秘の原因になったりします。
1日に1~2個が適量でしょう。

また、タンニンが体内で鉄と結合して、鉄分の吸収を阻害しますので、貧血症の人は控えめにしたほうが良いでしょう。

柿のへたの効能効果

柿は、果肉ばかりでなく、へたの部分にも効能があります。

柿のへたは漢方では柿帝(シテイ)といって、貴重なものとされています。

しゃっくりが止まらなくて困った際は、へた10個を1カップの水で煮出したものを飲むと良いでしょう。

夜尿症の場合も、ヘたを水で煮出して、愛飲すると良いといわれます。
また、この煎じ汁は、しもやけの患部に塗っても効果が期待できます。



柿の葉の効能効果

柿の葉にはビタミンCが豊富含まれており、これを日陰に干しておいてお茶にすると、すぐれた健康茶として利用できます。

このお茶は、ビタミンCの供給源として最適なほか、常飲すれば新陳代謝を活性化させてくれます。

また、動脈硬化の予防や高血圧症にもよく、利尿効果もあります。

ただし、注意しなければならないのは、柿の葉茶を飲んでしばらくは、コーヒー、緑茶、紅茶をひかえることです。
効果が相殺されてしまうからです。

柿の外用効果

柿渋は外用薬としても利用されています。
柿渋エキスは渋柿の熟していないものから作り、小ビンに入って市販されています。

昔からこれを、さまざまな用途で使っています。
打ち身ややけど、かぶれ、しもやけなどは患部に、柿渋を塗って利用します。

痔やハチなどの虫刺されにも、効果を発揮します。
痔の場合は、干し柿を黒焼きにして粉末にしたものを、適量白湯に溶いて飲むと、さらに効果的です。
この黒焼きの粉は、歯痛のとき歯ぐきに塗っても効果があるといわれます。

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