牛乳の栄養効能効果

  • 薬効:高血圧予防 胃潰瘍・胃炎予防 便秘予防 老化予防 骨粗鬆症予防 イライラ解消 滋養強壮 

牛乳はアミノ酸の組成に優れた良質のタンパクと、消化の良い乳化脂肪、乳糖(ラクトース)、ビタミンではAやB2、ミネラルカルシウムやリンを豊富に含む、バランスの取れた栄養食品です。

最大の特徴は、カルシウムの量が飛び抜けて多い点で、コップ1杯(200cc)を飲めば、1日の所要量のおよそ1/3が簡単に取れてしまいます。

加えて牛乳の場合、カルシウムの吸収を助けるタンパク質カゼインカゼインホスホペプチド)や乳糖(ラクトース)が多いこともあって、吸収されにくいカルシウムが効率よく取れるのも大きな魅力です。

牛乳

カルシウムというと骨や歯を丈夫にする役割だけが強調されがちですが、神経の興奮や緊張をほぐしてイライラをやわらげたり、心臓の収縮を安定させ、高血圧や動脈硬化を予防するなどの働きも見逃せません。

とりわけ土質の関係から、日本の野菜はカルシウムが少ないので、牛乳は貴重なカルシウムの供給源となっています。

乳糖は牛乳の甘み成分ですが、カルシウムとリンの吸収をよくし、整腸作用もあり、乳幼児の脳の発育に欠かせないガラクトースを含んでいます。
脂肪分には、胃粘膜を保護して胃の働きを助ける作用があります。

現在、1頭の乳牛からとれる牛乳の量は、最大で1日あたり1ℓパック50本近くにもなります。
市場に流通する牛乳はすべて、出産から少なくても1週間以降に出る「常乳」を加熱殺菌したものです。

出産から5日以内の「初乳」は、生まれた子牛に病原体への抵抗力を与えるタンパク質(免疫グロブリン)を桁違いに多く含みます。

初乳を加熱殺菌すると、それらのタンパク質が固まりやすいため、扱いづらく、商品になっていません。

牛乳の注目成分

タンパク質脂質カルシウム糖質乳糖



多彩な乳製品へと変わる牛乳の成分

牛乳の主なタンパク質であるカゼインのミセル(平均径0.1μmの集合体)を集めたものがチーズになります。

一方、脂質が膜で包まれた脂肪球(直径数μm)を集めたものがバターなどになります。
また、乳酸菌が乳糖を使って乳酸をつくると、牛乳は固まってヨーグルトになります。

牛乳の効果的な飲み方

栄養成分に富み、虚弱体質や疲労の回復に有効な牛乳には、貧血や便秘の予防、乳脂肪による胃粘膜の保護など、体にうれしい働きがいっぱいです。
その多くは熱によって損なわれることもないので、寒い冬はホットがおすすめです。

牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするという方は、牛乳に固有の乳糖を消化できない体質なので、温めたものを少しずつ飲む量を増やしていくようにすると良いでしょう。
腸内に乳糖分解酵素が増え、次第に飲めるようになります。

ちなみに、ホットミルクの表面にできる膜は、脂肪とタンパク質が固まったものなので、捨てるのはもったいない話です。
この部分に、脂肪の1/4、タンパク質の1/8が含まれているともいわれます。

体内の骨組織は、骨を溶かす破骨細胞と、骨を作る骨芽細胞の働きで日々少しずつ新陳代謝が進み、丈夫な骨を保っています。

この働きに必要なのがカルシウムで、不足すると骨がスカスカになる骨粗鬆症を招きかねません。
牛乳にはカルシウムと同じく骨や歯の材料になるリンも多く含まれるので、予防には最適です。

牛乳の食べ合わせのコツ

とうもろこしと合わせて骨を丈夫にする

とうもろこしのマグネシウムは、牛乳に含まれるカルシウムの働きを助け、骨や歯を丈夫にします。

加熱しても栄養素が壊れないため、飲むだけでなくシチューなどにしても良いでしょう。

牛乳の保存方法

冷蔵庫で保存する。
なるべく2~3日で飲み切る。



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