ホウレン草のベータカロチンと制がん効果

ホウレン草に多く含まれるベータカロチンは、体内でビタミンAに変換します。

ビタミンAが欠乏すると、初期段階では食欲不振、成長の停止、抵抗力の減退などが見られ、さらに末期段階になると、骨の損傷、増血の不調、不妊、先天性奇形などの症状を引き起こします。

また、夜盲症、角膜変化などもビタミンA不足が原因です。

これらの症状を予防、治療するためには、積極的にビタミンAを摂取することが重要なのですが、ビタミンAを過剰摂取すると、重大な健康障害を招いてしまうことがあるのです。

しかしベータカロチンは、必要に応じてその一部がビタミンAに転換するので過剰摂取による弊害は認められませんので、安心して摂取することができます。

また、ビタミンAには皮膚の乾燥を防ぎ、肌の潤いを保つ作用もありますから、女性にはうれしい美肌効果が期待できます。

ベータカロチンの効果で注目されるのが、がんの増殖抑制に有効であるということです。

各種のがん患者の血液検査において、ベータカロチンのレベルが非常に低いというデータが出た当初は、がんに罹るとベータカロチンの下がってくると考えられていましたが、もう一歩踏み込んで、患者の家族の血液検査をしたところ患者と同様にベータカロチンのレベルが低いことがわかったのです。

つまり、がんになるとカロチンレベルが下がるのではなく、カロチンレベルが低いとがんの発生率が高まるということが言えます。

ホウレン草には100g(約1/2束)中3.6mgのベータカロチンを含んでいますから、ベータカロチンの豊富なホウレン草を食べ、カロチンレベルを高めていれば、がんの発生率を低く抑えることが可能となります。

また、制がん成分は、ベータカロチンだけでなく、ホウレン草に含まれる酸化カロチノイドのキサントフィルやエポキシカロチノイドのルティン、クロロフィルビタミンCなどの抗酸化成分も、制がん効果に一役買ってくれています。



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